ecoLip

ホームLevel up! 金融リテラシー知識ゼロでわかる経済金融のキホン【今さら聞けない基本のキ】インフレとデフレってどういうこと?

icon

ニュース

2019.02.19【今さら聞けない基本のキ】インフレとデフレってどういうこと?

Summary

日本では「失われた10年」「失われた20年」といったように、長らく経済が低迷していました。この要因の一つに「デフレ」が挙げられており、2010年代は盛んに「デフレ脱却」が叫ばれていました。デフレとは物価が下がることを指すので、一見すると私たちの生活にはプラスになりそうですが、経済全体で見ると必ずしも良いことではありません。今回は、デフレとインフレについて解説します。

デフレは物価が下がること。インフレは物価が上がること

 

大正時代には、日本人の主食であったお米は10kgで2円弱、大工の1日の賃金が1円強だったと言われています。明治時代には、公務員の給料は月9円ほどで、技術者で月20円ほどであったと推計されています。そう聞くと、今の時代からするとかなり安いように感じるかもしれません。これは、日本が経済発展を遂げ、賃金や物価が上昇を続けてきたからです。そのため、物価が下がっていくデフレに苦しめられるということにこれまで直面したことがありませんでした。

デフレとは和製英語で、正確にはデフレーションと呼びます。デフレは、物価が持続的に下落していくことを指します。反対に、インフレは正確にはインフレーションと呼び、デフレの反対で物価が持続的に上昇していくことを指します。

デフレは物価が下落していくことですから、私たちが買うものの値段が下がっていくということになります。これは消費者にとっては嬉しいことです。ただし、商品が何でも値下がりしていくと、どの企業も、自社商品の値段を安くしないと売れない、ということになってしまいます。販売価格が下がればそれだけ儲けは少なくなってしまいます。

インフレはその反対で、物価がドンドンと上昇してくことです。需要と供給の関係の記事でも解説しましたが、経済が順調でみんなが豊かになると、色々な商品の需要が高まっていきます。その結果、物価が上昇し、企業はますます儲かって、働く人の給料が増え、ますます需要が高まって…というサイクルに入り、経済がどんどん拡大していきます。

デフレはどうやって起きるの?

 

景気の先行きが不安だと、みんなの財布のひもが固くなり、需要が減っていきます。そうすると、値段が高い商品は売れにくくなっていきます。企業はどんどん値下げしていきますが、価格が下がると儲けが少なくなります。そこで企業はコストを減らして何とか儲けを出そうとします。そうなれば、コストカットをしたり、従業員の給料を下げたりといった施策を行います。

働く人の給料が下がると、ますます財布のひもが固くなり、需要が減っていきます。そうすると、もっと値段を下げなければ売れなくなり、企業の経営をますます圧迫していきます。このように連鎖して経済が縮小していくことを「デフレスパイラル」と呼びます。デフレが必ずしも良いこととは限らないというのは、こういう背景があるためです。

1980年後半から90年前半のバブル景気がはじけた後、景気が悪くなった日本は、このデフレスパイラルにはまってしまい、なかなか抜け出すことができませんでした。デフレスパイラルは、一度はまってしまうと抜け出すことが難しくなります。そのため、日本では長らく「デフレの脱却」が経済の課題とされてきたのです。

 

インフレはどうやって起きるの?

 

景気の先行きが明るいと、みんなの財布のひもが緩くなり、需要が高まっていきます。そうすると、商品の値段が上がっていきます。企業は高い値段でどんどん商品が売れるので、儲けが増えます。そうなると、給料を上げたり、ボーナスを出したりして従業員に還元をします。働く人の給料が増えると、ますます需要が高まっていきます。こうして、賃金と物価が高まっていくことで経済が発展し、世の中が豊かになっていきます。

ただし、インフレだから良いとも言い切れません。例えば、需要が高いものの、供給が極端に少なくなると、物価が急激に上昇してしまうことがあります。1970年代に起きたオイルショックなどはまさにという事例です。1973年に発生した第四次中東戦争を機に、アラブ産油国が原油の減産と大幅な値上げを行いました。第四次中東戦争とは、イスラエルとエジプトやシリアなどのアラブ諸国との間で行われた戦争です。

原油価格が世界的に高騰したことで、それまでエネルギー源を中東の原油に依存してきた先進国で原油関連製品の価格が高騰するという現象が起きました。日本でも、ガソリンスタンドに人々が殺到したり、直接原油とは関係がないトイレットペーパーなどの買いだめが起こったりして、混乱を招きました。このとき、物価は3年にわたって10%を超える上昇を見せました。

他にも、2018年には、ベネズエラでインフレ率が170万%に達したとの報道がありました。このインフレ率の上昇はまだ続く見込みで、IMF(国際通貨基金)は2019年のベネズエラのインフレ率が1,000万%に達すると予想しています。ベネズエラは世界有数の産油国ですが、近年の原油価格の低迷や、マドゥロ政権の社会主義政策や価格統制など数々の政策の失敗によって、国内の経済や金融システムが破綻状態に陥っています。ベネズエラ国内での物資不足は深刻で、需要に供給が全く追いついていないため、信じられないほどの物価上昇が起こり、国民を苦しめてしまっています。このような経済・金融の失敗による異常なインフレを「ハイパーインフレ」と呼びます。

デフレやインフレはどうやってコントロールするの?

 

デフレとインフレを見ると、持続的な経済の発展には「ほどほどの」インフレが良いということになります。では、どのようにデフレやインフレをコントロールするのでしょうか。

日本では、日本銀行が物価の安定を図り、これを通じて国民経済の健全な発展に貢献するという役割を担っています。物価の安定は、経済が安定的かつ持続的成長を遂げていくうえで不可欠な基盤ですので、日本銀行は、日本の世の中がインフレにもデフレにもなりすぎないように、金融システムのバランスを取る政策を打つのです。

2013年から、政府と日本銀行は「毎年2%の物価上昇を目指す」という共同声明を発表しました。目標となるインフレ率まで誘導することで、デフレを脱却しようとする意図がありました。その後、日本の物価は少しずつ上昇の兆しを見せています。ただ、2%の目標にはまだまだ到達していません。1980~1990年代のバブル景気の時でも2~3%程度のインフレでしたので、「毎年2%の物価上昇」というのはとても高い目標です。それでも、日本経済が成長していくために、政府と日本銀行は緩やかなインフレを目指しているのです。

ページの先頭へ

NEWS Dictionary

[ 50音・英数字で検索 ]

期間を指定

  ~  

NEWS Calendar

78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    
       
     12
31      
     12
3456789
2425262728  
       
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
       
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
       

NEWS Category